Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
杉原課長へ小さくあたまを下げ、高鷹部長についていく。
もしかしたらこの後、杉原課長はあまりの恐怖に耐えかねて、気でも失っているかもしれない。

なぜなら高鷹部長は――父の敵、なのだ。


連れてこられたのは高鷹部長が使っている部長室だった。

「まあかけろ」

「失礼します」

勧められて、置かれた応接セットのソファーに座る。

「それで話というのはな」

「はい」

やはり、昨日のことを叱責されるんだろうか。
確かにあれは私が悪かったが、昨日あれだけ怒鳴っておいてまだ足りないのなら、器量の狭い男だと軽蔑するが。

「仕事で困っていることはないか」

「……はい?」
< 30 / 340 >

この作品をシェア

pagetop