Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
店長は昨日、私が帰った後、自分の態度を恥じたのだと詫びてくれた。

着物好きに貴賤はない。
ぜひ、うちで働いてほしいとさらに言ってくれ、それから私はお店で働いている。

働いているうちに以前、自分の案でオリジナル帯など作ってもらっていたのがバレ、少しずつオリジナル商品のデザインを任されるようになった。
自分が作ったものが売れるのが嬉しくて嬉しくて、背中を押してくれた征史さんにも、私を雇ってくれた店長にも感謝している。



あの後、結婚の許しを得ようと、何度か父に会いに行った。

「帰れ!
お前のような親不孝者の顔など見たくない!」

私目指してコーヒーカップが飛んでくる。
けれど征史さんが手を出して庇ってくれた。

あんなに私を溺愛していたとは思えない、父の態度。
しかしそれだけ父には私の反乱がショックだったのだろう。
< 320 / 340 >

この作品をシェア

pagetop