Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「私は一社員として、仕事がしたいです。
香芝専務の娘ではなく。
東藤本部長の婚約者でもなく」

「わかった」

私の答えに高鷹部長は満足げに頷き、――笑った。


話は終わりだと、その後すぐに解放された。
総務部に戻った途端、杉原課長がすっ飛んでくる。

「大丈夫でしたか!?
その、高鷹部長のお話というのは!?」

業務時間中、私を預かっている身としては、気が気ではないのだろう。

「昨日は悪かったと、詫びてくださっただけですので」

私が笑顔を作って答えると、杉原課長は安心したかのように息を吐き出した。

「なら、よかったです。
そうだ、高鷹部長とお話しして、お疲れになったでしょう?
休憩に外で、お茶でもしてきてください」

「えっと……では、お言葉に甘えて、そうさせていただきます」
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