Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
杉原課長の声が裏返る。
私だって聞いていない。
昨日、父はなにも言っていなかったし。
それに異動になるとしても、高鷹部長のところはありえない。

「ついさっき決まった。
杉原課長のところにはいま、連絡が入っているはずだが」

慌てて杉原課長は自分の席に戻り、パソコンを確認した。

「た、確かに……」

「なら問題はないだろう?
……香芝、さっさと荷物をまとめろ」

「えっ、あっ」

呆然とことの成り行きを見守っていたところに声をかけられ、焦ってしまう。

「さっさとしろ」

「は、はい」

高鷹部長が拒否させない勢いで迫ってくるので、急いで荷物をまとめる。
そんな私をみんなただ、おろおろと見守っていた。
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