Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「それだけか。
いくぞ」

勝手に私の荷物を持ち、高鷹部長はさっさと総務部を出ていく。
慌ててみんなへあたまを下げるだけしてその後を追った。


一度、机に荷物を置いて部長室に連れていかれた。

「昨日、一社員として仕事がしたいと言っていただろう?
ここではただの香芝愛乃として扱ってやる」

なにがどうして、こうなっているのかいまだに理解できない。

私が経営戦略部へ異動?

けれどどうもこれは、高鷹部長が私の希望を叶えてくれた結果らしい。

「特別扱いはしない。
ここは忙しいからな。
覚悟しとけよ」

言葉とは裏腹に、高鷹部長はふっと優しげに顔を緩ませる。
その顔は酷く美して、見とれてしまいそうだった。

「それで、具体的な仕事だが……」
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