キミに笑ってほしくて
「あ、また後で話しましょうね」
七ノ歌は微笑んで前を向いた。
最後の最後まで可愛かった…!
悶絶しそうになるのを我慢して私も前を向く。
全員席について静かになったところを見計らって教卓の前に立った先生は話出した。
「このクラスの担任になった小林伊沙コバヤシイサだ。言っとくが、小林一茶ではない。いさだ。そこよろしく。」
黒板に名前を書き、真面目な顔で言ったせんせー。
コバヤシイサって…
思わず笑いそうになるのを堪える。
私と同様ちらほらと肩を震わせている人もいた。
うん、なかなか面白そうな先生だ。
「さて、これから自己紹介でもしようか。まぁ、黒板に名前書いてあるから分かるかもしれないが…。取り敢えずセンセーは漢字が苦手で読めないからよろしく頼む。」
それは、せんせーとしてどうかと思います。
「せんせ〜それ、せんせーとしてやばくねぇ?」
クラスのある男子が手を挙げて言う。
「そこ、黙らっしゃい」
「いやんっ、ごめんなさいダーリン」
「誰がダーリンだ」
ピシッと指を指して何故か女口調ぽく言ったせんせーに男子生徒は身体をくねらせて裏声で返した。
せんせーとある男子の茶番に教室は笑いに包まれる。