キミに笑ってほしくて



あの男子…


ワックス無造作ヘアーにした茶髪の男子。


確か、あの綺麗な男子に話しかけてたひとだ。


ムードメーカーなんだなぁと思った。


「茶番はここまでにして…。はい、窓側から順番に自己紹介してくれ。そーだなぁ…。名前と出身中学、あと趣味とこれからの目標でも言ってもらおーか。」


「せんせー出身中学知ってどーするんですかぁ。もしかして僕らの住所知りたい!?ストーカー!?」


「誰がストーカーだ。俺はお前のダーリンでストーカーなのか。どんな設定だ。」


再び繰り返される会話。


なんか一向に進まないんですけど…。


「せんせー、早くしないと時間がないです。」


そう指摘したのはガタッと音を立てて席を立った、いかにも真面目そうな男子生徒。


誇りひとつ、シワひとつない制服。
いや、まぁ入学式だし初めて着る制服なんだから当たり前かもしれないけど、オーラが違う。


そして、キノコヘアーに黒縁丸メガネ。




こいつのニックネームは委員長に決まったと思う。




「お、おぉ、ごめんな」


声のするほうを向いた先生は1度委員長の容姿に驚いた様子だったが直ぐに返答した。


そりゃ驚くでしょーよ。


だって今時あんな容姿をしてる人めったに居ないから。


「じゃあ、浅尾から。」


そして始まった自己紹介。


2人目が終わり、綺麗なあの男子生徒の番になる。


ガタッと立ち上がったその生徒に周りの女子が少しざわついた気がした。
















「……………」



沈黙長いっっ!!



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