キミに笑ってほしくて
「寺本天音です。△△という所から来ました。趣味はそうですね…秘密にしときます。私の高校生活の目標は学年全員と友達になることです。ぜひとも話して貰えると嬉しいです。よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げ、座った。
ぱちぱちと所々から拍手も頂いた。
うん、もう平凡だったし、台本通りに言えなかったけど失敗しなくて良かったとほっと息をついた。
「いい目標だな。そんな寺本にはいい役を与えよう。」
ニヤリと笑ったせんせーに嫌な記憶が頭をよぎる。
なんか、こんな顔する人見たことあるわ。
前もこーやってあれを「お前は今日から前期学級委員だ。うん、それがいい。」
ですよね!!!!!?
満足そうに頷き、よくやったわ俺と言わんばかりのせんせーの顔を今すぐ殴りたい。
「それは嫌よ!絶対いや!!!!」
「せんせーに敬語使うよう習わなかったか?」
「今その教え捨てたわ!!!」
学級委員。
せんせーの雑用。
プリントまとめ、学級委員会、行事のリーダーなど、様々なことをやらされる。
めんどくさいことこの上ない!
「でも、クラス替えのないこの学校で学年全員と友達になるのは困難だぞ?」
せんせーの痛い指摘にうっと声を詰まらせる。
そーだけど、そーだけど!!!