キミに笑ってほしくて
ここが、私が通う学校。
比較的新しい校舎が人気であるこの学校は偏差値が少し高めだ。
予習と復習を割とこつこつとやっていた私は難なく入れることが出来た。
それでも受験前はきっちり勉強した。
合格通知が来た時は喜んだもんである。
さぁ…っと、風が吹き肩に付くくらいの茶色の髪がゆれる。
指で顔に当たってくる髪を耳にかけ、視界に入った校舎の横にたつ大きな桜の木の元へ歩く。
大きいなぁ…。
ふわりふわりと花弁が散り、揺れる枝の隙間から覗く太陽の光に思わず目を細める。
見ていて
桜を見ながら心の中で呟き、校舎へと向かい始めた。