キミに笑ってほしくて



お隣さんはまだ来てないのか隣は空席だ。


女の子の名前が書いてあったからきっと女の子なんだろう。


机に肘をつき、教室を見渡してみる。


クラスの人数は大体30人くらい。


見た感じ、ギャルっぽい人、オタクっぽい人、爽やかそうな人など、個性豊かなクラスだ。


…あれ


視線がある一点に止まった。


窓側の前から3番目に座って窓の方を向いている男の子。


少し跳ねている黒髪に、高い鼻。


横顔だけで綺麗だって分かった。


でも目は窓の外に視線を向けているのに他のものを見ているような、そんな目をしていた。


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