夜の世界に舞う
新規で指名してくる人は稀にいるが、
こっちも相手が分からず身構えてしまいがちになる。


だけど、目の前の人は
新規なのに"知ってる"

「初めまして、愛咲エルです。お隣失礼してもよろしいですか?」

「どうぞ。」

「何か飲まれますか?」

「ビールを頼んでるからいいよ。」

この人は、私に気づいているのだろうか。
それとも時の流れで存在すら忘れてるのだろうか。

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