夜の世界に舞う


今は仕事でしょ。

自分の気持ちを消すように笑顔を見せる。

「嬉しい。桜ちゃんに"会いたい"って思ってもらえるまでに少しは成長したのかもね。いっか桜ちゃんに追いつけるかなー?」

エルを崩さないように。


自分の気持ちを押し込む。


本当は、言いたい。
「どうしてあの日元カノといたの?」
「どうして頭を撫でていたの?」
「必要最低限ってなに?」
「私邪魔だった?」


言えなかったあの日の気持ちを言いたくなった。もう今さら言えないでしょ。





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