夜の世界に舞う
なんてない日々、いつもの日常。
重い扉を開け、「おはよーございまーす。」
歩きながら挨拶をして更衣室に入った。
いつもと違うと気づいたのは更衣室中に入ってからだった。
「明日の奏のバースデーイベント当たったんでしょ?」
「そうだよー。バースデーイベント券って凄いよね」
「券ってなに?」
口を挟むはずじゃなかったのに、どうしても気になった。
「エルが食いつくとか初!」
「ホストクラブの王子が明日バースデーイベントなんだけどね、今月始めに出た無料雑誌で『 バースデーイベントなので皆様に祝って貰いたいのですが当日は大変混み合うことが予想できるので10組限定にさせて頂くために券を配布させて頂きます。』って言ったんだよ。」
「しかも、常連だから券が貰えるとかじゃなくて応募なんだよー。だから誰が当たるかは分からないっていうやつ。」
女の子2人が盛り上がりながら教えてくれるけど、
こっちは至って冷静。
「ねえ、それっていつまでに応募?」
「応募?もう終わったよ!券も届いてるし。ってかバースデーイベント明日だよ?」
そっか。
何ムキになってんだろ、
あー、たぶん
行きたかったんだ。