どうぞ私を裁いてください。
「松山未來です。去年は一組でした。
趣味はサッカーとお菓子作りです。
あ、そこ、女の子みたいとか思ったでしょー」
松山くんは、クスッと笑った女子たちを指さして、失礼だなーなんて楽しそうに笑っている。
目をすっと細めた、こちらまでつられそうな笑みが眩しい。
女の子みたいなんて到底思えない、女子に人気のありそうな整った顔、キリッとした目。
俗にいうイケメン、というやつ。
どちらかといえば、女の子よりなのは柳くんのほうで…。
ふと中学生の頃の柳くんの顔が思い浮かんだ。
今よりも少し幼い柳くんの顔。
だから、もうそれについて考えるのはやめて、名前だけ、もう一度頭の中で唱えた。
そこからはもうすぐで、とうとう目の前の席の柳くんが立ち上がる。
「柳浩太です。去年は一組。一年間よろしく」
さっさと席についてしまった柳くんに、柏木先生は趣味を問うたけど、特にないと冷たく返していた。
冷たくしたつもりはないんだろうけど、淡々とした口調がそう思わせた。
だけど柏木先生はなにも気にすることなく、次、とわたしを指す。
小さく椅子の音を立てて、わたしはゆっくりと立ち上がった。