どうぞ私を裁いてください。
嘘だ、と思った。
嘘だと信じたかった。
できるなら、これが夢であってほしかった。
だけど、同時にどこか諦めたような気持ちにもなった。ああそうか、と納得もした。
そもそも引っ越しはわたしのわがままではないとはいえ、
それでもあれこれやり直すためにと、誰も知り合いがいないような高校を選んだけれど、
そもそもわたしにはやり直す権利などはないようだ。
わかっていたことだ。
心のどこかで、分かっていたはずだ。
だけど、よりによって、“柳くん”が同じ学校にいるなんて、それも同じクラスになるなんて。
柳くんは、直接わたしがなにかしたわけではないけれど、わたしのことを知っている、わたしの苦手な人だ。
それなのに、まさかまた、めぐりあうことになるなんて。