どうぞ私を裁いてください。


 *

一週間経って、もうそうなってしまったなら仕方ないと、自分を納得させることができた。
逃避したい現実を受け入れるのに一週間は、かなり早いほうだと思う。


もともと、わたしが簡単にそういうことを割り切れる性格なのもあると思うけど。



学校につくのは、いつもまだクラスの四分の一しか人がいないときで、それでも仲の良い人同士がわいわいと話していて、とても静かとは言えない。

だからイヤホンをして、なるべくその声が聞こえないようにして、外の音を雑音にしてしまってから、適当にカバンに入れてきた本を読む。



それから、十分くらいしたら、柳くんがやって来る。
自転車登校だから、遅いときは遅いんだろうけど、今のところ、いつもほとんど同じ時間に来ている。


荷物を机に置く音がして、ふいに目の前に人の気配を感じて、トントン、と机を指先でつつく音が、柳くんが来たサイン。


「結月さん、おはよう」

一週間、一日も欠かさず、柳くんはわたしなんかに平気で挨拶をする。

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