どうぞ私を裁いてください。
それに、柳くんにはそんなつもりはないかもしれないけれど、柳くんはもうすでにわたしの弱みを握っているも同然だ。
平穏に過ごしていたいわたしの、望んでいる平穏を、それこそきっと簡単に壊してしまうことができるような、弱みを。
そりゃあわたしだって、なにもかもバレて平穏とは程遠い学校生活のほうが、わたしにお似合いだと思うけど、それが“償い”になると思っているけど、幸せじゃなくていいから、せめて穏やかに何もない日々を過ごしたい。
だから、イジメっ子としてのわたしを知っている柳くんは、わたしにとって自身の罪を思い知らせる象徴みたいなもの。
それも、柳くんは、正義のヒーローで。
イジメっ子だったわたしの敵で、目を敵にしていた人で。
中学三年生、同じクラスにいたときの柳くんは、わたしのことなんて大嫌いだったはずなのに。