どうぞ私を裁いてください。


おそらく一番廊下側の、肌寒い席だということはわかっていた。
あとは、前から何番目なのかだけ、知る必要があった。



去年であれば、後ろから二、三番目の席くらいがちょうどいい、なんて思ったけれど、
今年ばかりは、できることなら一番前の席がいいと思った。


そんなわたしの淡い期待は簡単に裏切られて、
わたしの席は前から三番目、後ろから四番目のなんともいえない席になった。

一番前の席ではないということはつまり、すぐ前の席には件の柳くんがいるということ。

わたしは自分の席のほうを見て、柳くんがまだ来ていないことを確認してから、そっと席についた。


耳に入ってくる音楽の音を、また二つだけ上げてみた。
やっと聞き慣れたフレーズと音楽が、いい感じの音量で頭の中を流れ始めた。

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