どうぞ私を裁いてください。
筆箱と、あと必要だと思われるものをスクールバッグから取り出して、机の横のフックにかける。
たったそれだけで特にすることもなくなったわたしは、
頬杖をついて目をつむり、イヤホンを通して聞こえる音に集中することにした。
何度も繰り返し聞いてきた歌だから、次から次へと歌詞が浮かんできて、あっという間に自分の世界に引き込まれていく。
そんなわたしの意識をこちらへ戻したのは、トントン、と指先で机を小突く、ちょっと高い音だった。
歌と歌の合間に、わざと狙ったかのように刻まれたその音に、わたしはゆっくりと目を開いた。
机の上に転がしていた、イヤホンの先にあるウォークマンのボタンを押して、音楽を止める。
ピッと一つ音を残して、スッと歌が消えていくと同時に、未だに騒がしい新たなクラスメートたちの声が大きくなっていく。