どうぞ私を裁いてください。
その言葉には、なにも感情がのせられていなかった。嬉しそうでも、嫌そうでもない。
ただ、事実に対して納得しただけの言葉は、妙に冷たい。
表情がコロリとも変わらないのも、そう感じさせる原因の一つだろう。
「うん、そう。柳くんも、あの柳くんだったんだね」
同じような言葉で返したけれど、わたしの言葉には明らかに嫌悪の念が隠されていた。
できるならば会いたくなかった。
できるならば信じたくなかった。
だけど目の前にいる彼は、正真正銘の、あの柳浩太だ。
わたしが会いたくなかった、あの柳浩太なのだ。
だけど、柳くんはわたしの胸のうちなんてさらさら知らないようで、やっぱり表情一つ変えないで、コクンと頷いた。
「ひさしぶりだね」
ふんわりとした口調で、でも相変わらずどこか冷めた目で、柳くんはそう言った。
ひさしぶり、なんて、未だに認めたくない自分がいて、少しだけ、言葉が詰まった。
「うん、ひさしぶり」
笑いかけることできなかった。