彼氏がいなくなった
「話になんないもういいわ」
「あ、こら君待ちなさい」
学校に行きなさい、とかあんたは不登校生を励ます熱血教師の典型か。
困ったとき、頼りになるのはいつなん時も警察だと思っていた。そのデータを即座に塗り替えて落ち着くところは「税金泥棒」、結局これに尽きるらしい。
(探さなきゃ)
冬、よく晴れたど平日。
学生鞄の持ち手を握りしめた私は、ひとまず彼氏とよく共に歩いた道筋を辿ってみる事にする。
❄︎
私と彼は、つうといえばかあみたいな、
星が惹かれ合うような、
出逢うべくして出逢ったみたいな、そういう間柄だった。
すべての始まりにおいて、きっと深い意味なんてないのだ。
というか単純に意味のあるものの方が少ない。何事も。
意味や価値はまずもって後から付いてくる。
というのは私の彼氏こと日野颯太の迷言だ。