君と二人の201号室
「下着ないから……とりあえず今は、蒸しタオルで体拭いたりする?結構さっぱりするよ」
「…お願いします……」
「了解。用意してくるから、ちょっと待ってて」
「は~い」
私もよくやる、蒸しタオル。お風呂でお湯沸かすと…高いから。拓海さんの言う通り、結構さっぱりして気持ちいい。まぁ、髪は洗えないけど。
…今さらだけど、やっぱりここ広いな……。私の家が狭かったのもあるだろうけど。感覚が麻痺してるのかも…。
座り心地が良さそうな白いソファー。
キャラメル色のラグ。
ダークブラウンの木目調のテーブル。それとセットになっているような椅子が4つ。
紺色に星屑がちりばめられたような遮光カーテン。
…比べちゃいけないと思うけど……うちとは大違いだ。
「菜帆、これ、蒸しタオル。向こうにある洗面所で拭いてきな。そこで、部屋着にも着替えちゃいな」
「拓海さん、ありがとうございます…!」
「いいからいいから」
拓海さんに感謝しながらも、私は眠気と戦う気力が限界に達していたので、さっさと済ませようと、できる限りテキパキ動いた。
「拓海さ~ん、終わりました~」
「わかった~。…菜帆、大丈夫?すごい眠そうだけど」
「あんまりだいじょばないので、そろそろ寝ます~」
「そうしな。おやすみ」
「おやすみなさ~い」
寝室に行き、拓海さんに促されて入ったベッドは……ふっかふかだった。
今夜はよく眠れそう。