君と二人の201号室


多分、菜帆が中学2年生くらいのときから、菜帆とは別に借金返されていただろう?


入院して回復してからは、それまでより給料がいいところで働いたんだ。

だんだんとお金も返せるようになってきて、やっと少しはまともな人間になれたんじゃないかと思った。


そしたらまた、ついこの間だけど、倒れちゃってね。

検査したら、まぁ…結果がよろしくなかったみたいで。

余命宣告されちゃったよ(笑)


そのとき、やっぱり思うのは菜帆のことで。

俺はまだ動けないから、母さんに頼んで、菜帆の様子を調べてもらって。


菜帆、母さんから聞いたよ。

大切な人ができたんだね。

おめでとう。


その人は、ちゃんと菜帆を大切にしてくれる人かい?

俺たちみたいなヤツじゃないかい?


でも、聞いた菜帆の様子の限り、きっと大丈夫だね。

菜帆がちゃんと、大切な人と生きて幸せに暮らしてるのなら、俺はこの上ない幸せ者だと思います。

これからもその人を大切にね。


…なんて、誰目線で言ってるんだ。って話だけど。

通りすがりのオジサンということにしてください。


それじゃあ菜帆、長々とごめんね。

ここまで読んでくれてありがとう。


俺は菜帆を愛してます。

体に気をつけて。




通りすがりのオジサンより



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