君と二人の201号室


「お肉!」

「うん、お肉だね」

「…あんまり安くないですね」



うん、ってか高い。

決めた。今日使う分だけ買おう。


そう思い、カゴに豚肉を入れる。


…あとは…卵かな?それと調味料。







「合計で、11432円になります」



い、ちまん…。

調子に乗って買いすぎたかな…。


スーパーでこんなに使うなんて…。



「はい、1万と1502円、お預かりいたします。…70円のお釣りですね。ありがとうございました」



あ、エコバック出さなきゃ。



「拓海さん、ありがとうございました」

「いや、自分の分も入ってるし、気にしないで」

「…はい。すみません」

「言ってるそばから気にしてるじゃん」



あ、本当だ。

と思い、慌てて自分の口元に手を当て、口を塞いだ。



「何なの、菜帆…」

「え…?」

「可愛すぎでしょ、もう。本当に天使かな。天使だよね。うん、もはや女神…」

「何言ってんですか…?」



私は訝しげに拓海さんを見る。

…初対面の時からと、随分キャラ変わってない?この人。



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