君と二人の201号室


「いや、だってお弁当といえば愛妻弁当♡じゃん?」

「いや、結婚してませんよね?愛…はともかく、妻じゃないですよね?」

「菜帆…愛してくれてるの?俺、嬉しすぎてどうにかしそうなんですけど…」



…既にどうにかしてると思います。

そして口が滑った…。



「…拓海さん、朝ごはん用意できてるので、一緒に食べませんか?私、そろそろお腹空きました」

「あ、そうだね。食べよっか」



話を逸らせてよかった…。

あれ以上の拓海さんの暴走と追及は……答えられない気がしたから…。



「菜帆、今日も学校だよね?」

「そうですけど…」



…それが、どうかしたのかな?

まさか…付いてくるとか言い出さないよね!?



「プレゼントあるんだけど…」

「え?」



もしかして、文房具とかかな?

わざわざ、今日が学校なのかどうか聞いてきたし……。



「はい、これ」



拓海さんから手渡されたのは…



「ネックレス…?ですか?」

「うん」



えっと…何でだろう。



「校則では、アクセサリー大丈夫だよね?」

「あ、はい…。多分」



自分ではつけないから、あんまり気にしてなくてよくわからないけど、友達はつけて来てる子多いからなぁ…。

だから大丈夫、のはず…。



「じゃあこれ、これから毎日つけて行ってね」

「毎日、ですか…?でも、いいんですか?こんなに可愛いの」

「可愛い菜帆に似合う、可愛いネックレスを買って来たんだから、つけてもらわなきゃ困るよ」



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