君と二人の201号室


――ボンッ!

…という、何かが破裂したような音が鳴ったように、私の体温は一気に上がった。


手強いです、拓海さん。



「…わ、かりました…。毎日つけます…。あの、ありがとうございます。こんなに可愛いの」

「俺が働いてる店で見繕ってもらったんだ」



え…?



「えっと…どうやってですか?」

「写真見せた」



しれっと言い放つ拓海さん。

けど私、写真なんて撮ってもらったことあったっけ…?



「ちなみに隠し撮り」

「…それ、私相手じゃなかったら犯罪ですよ?」



いや、私相手でも一応犯罪か。


…本当に拓海さんは、色んな意味で想像を超えてくる。



「大丈夫だよ。菜帆以外の写真、撮りたいとも思わないから」

「…ソレハドウモアリガトウゴザイマス」



恥ずかしいやら、呆れるやら…。


うん、やっぱり恥ずかしい。



「菜帆は、学校でモテるの?」

「別にモテませんよ?友達はモテるんですけど」



いつもよく一緒にいる友達・由奈ちゃんと紘子ちゃん。

由奈ちゃんは可愛い系、紘子ちゃんは名前のイメージとは反してギャル。

…でも、かなりピュアで可愛い。

二人とも可愛い。天使。


…なんか、思ってることが拓海さんが言ってることみたいになってきた…。


要約すると、彼女たちはモテる。私と違って。



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