君と二人の201号室
*
「へぇ~。朝、そんなことがあったんだ」
「…っていうか菜帆、イケメン彼氏と同棲してるなんて羨ましい~!」
「それ、この前も言ってたよね…?」
朝、家であったことを大まかに、由奈ちゃんと紘子ちゃんに話すと、なぜかテンション高めの二人。
由奈ちゃんは、『拓海さんと同居を始めた』と伝えた時と、同じ反応をしている。
…由奈ちゃんのテンションの高さは、拓海さんと似てる気がする。
「で?もらったんだ。そのネックレス」
「…うん」
「似合ってるじゃん。可愛いよ、菜帆」
「紘子ちゃん…!」
高校で出来た、初の友人の気遣いに、私は嬉しくなる。
「…言っとくけど、お世辞とかじゃないからね?」
「え!?」
「まったく…。やっぱりそう思ってたか…。ほんと、菜帆のその自信の無さはなんなの…」
「もうちょっと自信持ってもいいと思うよ?菜帆。っていうか、持とう!持つべきだよ、菜帆は!」
「…由奈は自信持ちすぎだと思う」
紘子ちゃんがボソッと呟いたのに敏感に反応した由奈ちゃん。
「こら~!」とむくれている姿がすごく可愛い。
紘子ちゃんは「…地獄耳」とか言って、またさらに由奈ちゃんがむくれている。
…美少女二人のじゃれ合いは、何だか目の保養な気がするので、とりあえず観察する。いつものことだ。癒される。
「ちょっと菜帆~!笑ってないで助けてってば~!」
「あ、うん。由奈ちゃん、2時間目数学でしょ?課題やった?」
「やってない…!しかもわからない…!」
「教えるから、一緒にやろ?」
「菜帆神様!」
「…うん?」
…というか、ちゃんとやって来ればいいんじゃないかなぁ。