君と二人の201号室





「へぇ~。朝、そんなことがあったんだ」

「…っていうか菜帆、イケメン彼氏と同棲してるなんて羨ましい~!」

「それ、この前も言ってたよね…?」



朝、家であったことを大まかに、由奈ちゃんと紘子ちゃんに話すと、なぜかテンション高めの二人。

由奈ちゃんは、『拓海さんと同居を始めた』と伝えた時と、同じ反応をしている。

…由奈ちゃんのテンションの高さは、拓海さんと似てる気がする。



「で?もらったんだ。そのネックレス」

「…うん」

「似合ってるじゃん。可愛いよ、菜帆」

「紘子ちゃん…!」



高校で出来た、初の友人の気遣いに、私は嬉しくなる。



「…言っとくけど、お世辞とかじゃないからね?」

「え!?」

「まったく…。やっぱりそう思ってたか…。ほんと、菜帆のその自信の無さはなんなの…」

「もうちょっと自信持ってもいいと思うよ?菜帆。っていうか、持とう!持つべきだよ、菜帆は!」

「…由奈は自信持ちすぎだと思う」




紘子ちゃんがボソッと呟いたのに敏感に反応した由奈ちゃん。

「こら~!」とむくれている姿がすごく可愛い。

紘子ちゃんは「…地獄耳」とか言って、またさらに由奈ちゃんがむくれている。


…美少女二人のじゃれ合いは、何だか目の保養な気がするので、とりあえず観察する。いつものことだ。癒される。



「ちょっと菜帆~!笑ってないで助けてってば~!」

「あ、うん。由奈ちゃん、2時間目数学でしょ?課題やった?」

「やってない…!しかもわからない…!」

「教えるから、一緒にやろ?」

「菜帆神様!」

「…うん?」



…というか、ちゃんとやって来ればいいんじゃないかなぁ。



< 62 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop