君と二人の201号室
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結局、店長の計らいで、バイトは少し早めに上がることになった。
拓海さんにそう伝えたところ、電話越しでもわかりやすく喜んでいた。
「菜帆、お疲れ様」
「ありがとうございます。拓海さん、どこのイルミネーション観に行くんですか?」
「潮騒公園の」
「え!?」
潮騒公園といったら、ここの最寄り駅から二駅先にある公園だ。観光客もいっぱい来て、かなりの頻度でイベントもやってる。
だから、イルミネーションがあってもおかしくないけど、かなり遅い時間になってしまうのではないだろうか。
「菜帆、心配しなくても大丈夫だよ」
「でも…」
「大丈夫、すぐにわかるから」
…なにがわかるというのだろう。
まさか、タクシー呼んでたりしないよね?高いのに。
「ほら、着いた」
「え…?これ、ですか?」
「そう、これ」
目の前には、新車みたく綺麗な、黒い車。
拓海さんの車、ではないよね…?そもそも、免許持ってた?
「これ、実家から借りて来たんだ。車は持ってないけど、免許は持ってるから」
「そうだったんですか…」
色んな意味で言葉が出ない。
衝撃の告白と衝撃の展開すぎる。
でもそっか。
改めて認識したけど、拓海さんは私より3つも年上なんだ。
そりゃあ、免許を持っててもおかしくない。