君と二人の201号室
ガチャッ
「ただいまー」
「お、お邪魔します…」
今さらだけど、年末年始なんていう大事な時に、家族水入らずの時間邪魔しちゃってよかったのかな…。急に不安になってきた…。いや、来る時から不安っちゃ不安だったけど…。
「おかえりーって、拓海はどうでもよくて」
「酷いな、オイ」
「ああん?お姉様に向かってなんだその口の利き方はー!」
「いや、なんでもないです」
奥の方から出てきたのは、すっごい美人な人。
拓海さん曰く、『悪魔』のお姉さんらしい。
にしても、やっぱり拓海さんに似てる。雰囲気とか。
…きっと美人の家系なんだろうなぁ…。美しい。
「この子が菜帆ちゃん!?かーわーいーいー♡」
「え、あの…」
…拓海さんとよく似て、なぜか無駄に私を褒めてくれる。
そして、そんなことを考えてるうちに抱きつかれていた。
…あ、いい匂い。
木葉さんもいい匂いしたけど、また別のいい匂いがする。
「拓海のお姉ちゃんの、瞳でーす!年齢は18歳…「今年で25になった」
すかさず拓海さんのツッコミが入る。
…さっきも思ったけど、この二人のやりとりは面白い。
「で、まぁ、大学でちょっと変な研究してまーす♪」
「普通に研究でいいでしょ」
頭いいんだろうなぁ…。
そして、さっきからツッコミ役になってる拓海さんが新鮮すぎて面白い。
いつもは、拓海さんの行動がツッコミどころ満載なのに。