君と二人の201号室
「あ、拓海。おかえりなさい!」
「…母さん。ただいま」
相当な美人で、20歳近くの子供を二人産んだとは思えないくらい若い。
…拓海さんのお母さん。
その近くには、これまたイケメンさんがいる。30代くらいに見えるけど、恐らくお父さん。
確信した。この美形はDNAなんだ…と。
「で、そこの子がお嫁さん(仮)なの?」
「うん」
…拓海さん、そこまで話してたの…?
え、もう…?恥ずかしすぎる…。というか、私の意見丸無視ですか。
「柴田…菜帆です…」
「うんうん、知ってるよ。拓海から聞いてるからね。あ、俺、拓海と瞳のお父さんね」
「あ、はい…。よろしくお願いします…」
うん、やっぱり若い。なんか、こうノリ(?)も。
それに、ご両親二人とも優しそう。
よかった…。いい人そう…。
「それよりも菜帆ちゃん。私の料理食べない?作りすぎちゃって」
「…いいんですか?」
「もちろん」
「ありがとうございます。これ、全部、すごく手が込んでますよね…。すごいです」
時間がかかったり、下ごしらえが大変だったりする料理ばっかりだ。
それが…テーブルを埋め尽くすほどある。恐らく全部作ったのだろう。すごすぎる。
「あら、菜帆ちゃん、料理するの?うちの子たち、二人とも料理の腕が壊滅的だから…。きっと克己くんに似ちゃったのね。こんな話ができるなんて嬉しいわ」
「あぁ、克己くんって、うちの父さん」
頭に?マークを浮かべる私に、拓海さんが教えてくれた。