君と二人の201号室
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拓海さんがお風呂から上がり、ご両親もコンサートから帰ってきた(ついでに言うと、紅白も終わったし、年も明けた)。
「…あけましておめでとうございます…。その…よろしくお願いします…」
「そんな挨拶いいから。教えてよ、菜帆のこと」
「…新年早々、気分のいい話じゃないですよ?」
「なら、尚更聞かなきゃダメじゃん!大丈夫!拓海も、この私もいるから!」
みんなに促され、私はスウッと息を吸った。
深く深く深呼吸した。