夢幻特急
翌日。
放課後になると同時に、瑠美は教室を出て行った。
出会ってからというもの、帰る前に彼女と教室で喋るのが日課になっていた想太は、それを見て慌てて後を追う。
もしかして僕は瑠美に嫌われてしまったんじゃないか?
もしかして僕は彼女に見捨てられてしまうんじゃないか?
焦燥と恐怖が毒の様に全身を蝕んでいくのを感じながら、想太は教室を飛び出した。
瑠美が早足で廊下を横切って階段を上っていくのが見えた。上級生のいる上の階に用事があったことなど一度ないので、階段を上るのは初めてだ。
瑠美はそのまま更に階段を上り続け、そして遂に屋上へと出て行ってしまった。
あんなところに何の用だろう? この高校は海に近い為、潮風の激しい屋上は開放されてはいれど立ち入る者はほとんどいないのに。
今まで感じたことのない胸騒ぎを覚えつつ、覚悟を決めると想太は屋上の戸を開けた――
放課後になると同時に、瑠美は教室を出て行った。
出会ってからというもの、帰る前に彼女と教室で喋るのが日課になっていた想太は、それを見て慌てて後を追う。
もしかして僕は瑠美に嫌われてしまったんじゃないか?
もしかして僕は彼女に見捨てられてしまうんじゃないか?
焦燥と恐怖が毒の様に全身を蝕んでいくのを感じながら、想太は教室を飛び出した。
瑠美が早足で廊下を横切って階段を上っていくのが見えた。上級生のいる上の階に用事があったことなど一度ないので、階段を上るのは初めてだ。
瑠美はそのまま更に階段を上り続け、そして遂に屋上へと出て行ってしまった。
あんなところに何の用だろう? この高校は海に近い為、潮風の激しい屋上は開放されてはいれど立ち入る者はほとんどいないのに。
今まで感じたことのない胸騒ぎを覚えつつ、覚悟を決めると想太は屋上の戸を開けた――