王子様は甘いのがお好き
顔は怖いくせに、意外と礼儀正しいんだな。

そう思いながら陽葵ちゃんに視線を向けたら、彼女は顔を紅くしてうつむいていた。

…んっ?

私は陽葵ちゃんと武智さんを交互に見つめた。

そう言えば、陽葵ちゃんには気になっている男の人がいるって言ってた。

その気になっている男の人って言うのは…もしかしなくても武智さんなのかも知れないと、私は思った。

2人と一緒に警察署を後にすると、
「ごめんね、仕事中に呼び出しちゃって」

陽葵ちゃんは申し訳ないと言うように謝った。

「気にしなくていいよ、陽葵ちゃんが無事でよかった」

私は言った。

「僕、彼女を家まで送って行きます」

そう言った武智さんに、
「そうですか、何から何までありがとうございます」

私はお礼を言った。
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