王子様は甘いのがお好き
重役たちは呆れたと言った様子で田原を見つめていた。

ジョーダンは暑苦しい存在そのものだけにしろって言う話だよ…。

心の中でそう呟いたら、
「佃さん、何か言ってくださいよ!」

田原が私に話を振ってきた。

何でそうなるのよ…。

「同じ部署で一緒に働いていた仲じゃないですか!」

ああ、暑苦しいったらありゃしない…。

「ええ、そうですね」

たまらなくなって、私は口を開いた。

「ですけど、それはもうずいぶん前の話ですよね?

今は関係ないと思っています」

「つきあっていたじゃないか!」

怒鳴るように言い返してきた田原に、
「それはあなたの勝手な勘違いでしょう!」

私は声を荒くして言い返した。
< 113 / 120 >

この作品をシェア

pagetop