王子様は甘いのがお好き
秘書課は私を含めた5人である。

「今日から秘書課で働くことになった佃芽実さんです」

秘書室長の田中さんに紹介された私はペコリと頭を下げた。

「本日から秘書課で働くことになった佃芽実です。

異動したばかりで不慣れなことはありますが、1日でも皆様の即戦力になれるように頑張ります」

自己紹介をした私に先輩たちから拍手があがった。

よかった、出だしは好調だ…。

「佃さんのデスクは右側の2番目です」

「はい、ありがとうございます」

田中さんにお礼を言うと、私は自分のデスクへと足を向かわせた。

デスクのうえにカバンを置いた時、
「あなた、ずいぶんといい髪をしているわね」

隣のデスクのゆるくウェーブがかかったショートカットの女性に声をかけれらた。
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