王子様は甘いのがお好き
トントンと肩をたたかれたのでクッションから顔をあげると、陽葵ちゃんだった。

イヤホンを外すと、
「終わったの?」

私は聞いた。

「終わったわ」

陽葵ちゃんは私の質問に答えた。

「お疲れ様」

私が声をかけると、
「んーっ」

陽葵ちゃんは両手を上にあげて伸びをした。

小説家の仕事も楽じゃないと言うことである。

それでも頑張っている陽葵ちゃんをかっこいいと、私は思った。

「仕事はどうなの?

秘書の仕事にもうなれた?」

そんなことを思っていたら、陽葵ちゃんがストレッチをしながら声をかけてきた。

「あ、そうだ!

ねえ、聞いてよー」

「はい、聞きます」

陽葵ちゃんは私の話に耳を傾けた。
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