王子様は甘いのがお好き
「えっと、柳田ひまり(ヤナギダヒマリ)って言うペンネームです」
私は社長の質問に答えた。
「柳田ひまり?
本名で書いてる訳じゃないんだ」
そう言った社長に、
「名前の“ひまり”は漢字だと固い感じがするからひらがなに、名字の“柳田”は母の旧姓です。
陽葵ちゃん、小学生の頃に同級生に名字をからかわれたことがあったみたいで」
私は言い返した。
「名字をからかわれた?
“佃煮”とか何とか、そんな風に言われたの?」
「…よくわかりましたね」
そう言った私に、
「何となくそんな気がしたよ」
社長はクスッと笑ったのだった。
その笑みに私の心臓がドキッ…と鳴った。
「しゃ、社長は兄弟姉妹とか…」
心臓の音を隠すように話を切り出そうとしたら、デスクのうえの電話が鳴った。
私は社長の質問に答えた。
「柳田ひまり?
本名で書いてる訳じゃないんだ」
そう言った社長に、
「名前の“ひまり”は漢字だと固い感じがするからひらがなに、名字の“柳田”は母の旧姓です。
陽葵ちゃん、小学生の頃に同級生に名字をからかわれたことがあったみたいで」
私は言い返した。
「名字をからかわれた?
“佃煮”とか何とか、そんな風に言われたの?」
「…よくわかりましたね」
そう言った私に、
「何となくそんな気がしたよ」
社長はクスッと笑ったのだった。
その笑みに私の心臓がドキッ…と鳴った。
「しゃ、社長は兄弟姉妹とか…」
心臓の音を隠すように話を切り出そうとしたら、デスクのうえの電話が鳴った。