王子様は甘いのがお好き
やれやれ、とんだ週末だった…。

酔っぱらった姉の世話で週末を潰されたことは自業自得だけど、ある程度の覚悟と自信はついたんじゃないかと思う。

いつものように会社へと出勤したら、
「おはようございます、佃さん」

聞き覚えのある暑苦しいその声に視線を向けると、田原だった。

「あ、おはようございます…」

私があいさつを返したら、
「こう言う場合は“お久しぶりです”と言った方が正しいですかね」

田原はガハハと笑った。

いつ見ても本当に存在そのものか暑苦しい男だ…。

「佃さんが秘書課へ異動されてからだいぶ日が経ちましたけど、もう仕事になれましたか?」

そう聞いてきた田原に、
「そうですね。

皆さん、とても親切ですから楽しく仕事をさせてもらってます」

私は答えた。
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