王子様は甘いのがお好き
「えっ?」

どう言う意味ですか、それ?

そう思って聞こうとしたけれど、
「――ッ…!?」

社長に唇をふさがれた。

彼とキスをしたのは、“あなたのことを知りたい” と言ったあの日以来だろう。

突然のように抱きしめられたうえに、突然のようにキスをされた。

一体何があったと言うのだろう?

社長の行動に訳がわからなくて戸惑っていたら、彼の手が私の躰をさわっていることに気づいた。

えっ、ちょっと待って…!

「――あ、あの…!」

ふさがれた唇を離すと、社長を見つめた。

いきなり止められたことがわからないと言うように、社長が私を見つめている。

それはこっちの行動である。

「な、何があったんですか?」

そう聞いた私に、社長は目を伏せた。
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