王子様は甘いのがお好き
「もしもし…えっ?」

社長は驚いたと言うような顔をすると、
「はい、わかりました」

すぐに受話器を切ったのだった。

「芽実、今日はもう帰った方がいい」

そう言った社長に、
「あの、何があったんですか?」

私は訳がわからなくて聞いた。

「君のお姉さんが警察署にいるらしい」

「ええっ!?」

社長の口から出てきたその事実に、私は驚いた。

陽葵ちゃん、何をしたの!?

「田中さんからの話によると、お姉さんの家に暴漢が入ってきて襲われそうになったらしい」

「そんな…」

陽葵ちゃんの家に暴漢が入ってきたって…!?

しかも、襲われそうになったって…!?

当然のことながら、陽葵ちゃんに武術の経験はない。
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