4時44分45秒目の世界には
少女は閉じていた目を、ゆっくりと開く。
そしてそぅ、と、布団の中から顔を出した。
そして目の前に――
――は、なにもいなかった。
音も、臭いも、やんだ。
ホッと、息をついて、目を閉じながら仰向けになる。
少女は安堵した。
これで眠ってしまえば、もう、あとは母が何事もない朝を迎えさせてくれる。
そう、安堵した。
ふとまぶたを開いた先の天井――
あの少年が、蜘蛛のようにへばりついているのを見るまでは。
そしてそぅ、と、布団の中から顔を出した。
そして目の前に――
――は、なにもいなかった。
音も、臭いも、やんだ。
ホッと、息をついて、目を閉じながら仰向けになる。
少女は安堵した。
これで眠ってしまえば、もう、あとは母が何事もない朝を迎えさせてくれる。
そう、安堵した。
ふとまぶたを開いた先の天井――
あの少年が、蜘蛛のようにへばりついているのを見るまでは。