【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「……はい」

返事を口にした途端、ぽろぽろと涙が零れ落ちた。

いつかは駿也とこうなればいいと、初めて思いが繋がったときからそうおぼろげながら思っていた。

それが、こんなに素敵な形で叶うなんて。

大泣きのわたしを苦笑した駿也は立ち上がり、指輪をわたしに左手の薬指にはめてくれた。

「あ、あり……がっ、とう」

涙でまともに話せない。けれど気持ちは伝えたい。

「礼を言うのは、俺の方だ。俺のせいでしなくてもいい苦労をたくさんさせた。
約束もなにもなかったのに、四年もの間誰のものにもならずにいてくれたこと。
ありがとう。それから」

駿也がわたしの頬に流れる涙を手でぬぐう。

「愛してる」

その言葉を聞いて止まりかけてきた涙が、もう一度あふれ出す。

ぐちゃぐちゃの顔でうんうんとうなずくわたしを彼は抱きしめた。

「これからも、今以上に愛させて」

耳元でそうささやかれたわたしは、彼の首に手を回して抱き着いた。

お互い至近距離で見つめ合う。

そしてゆっくりと彼が近づいてくると、わたしはねだるように、自分の瞳を閉じて、彼の甘くてとろけるようなキスを受け入れた。
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