【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網

「それ、覚えてるか?」

うん、うん、とうなずくわたしを駿也が背後から抱きしめてきた。

「まだ持っていたなんてびっくりした」

「捨てられないだろ。……お前との思い出のモンなんだから」

ちょっと恥ずかしそうに言った駿也がたまらなく愛おしいと思う。

「実はね、わたしもまだ持ってる。きっと無意識にこのキーホルダーを捨てちゃうと、駿也との思い出がなくなってしまうような気がしてて……ずっと捨てられなかった」

わたしの言葉に、駿也の腕の力が強くなる。

「まあ、すっかり忘れていたとしても、また俺のモノにする自信はあるけどな」

「なによ、それ」

自信満々の態度に思わず笑ってしまう。

「だって、俺の原動力はいつだってひよりだから。俺にとって一番大切なものはお前だよ」

耳元で低い、とろけるような声でささやかれた。

ドクンと心臓が大きな音をたてると同時に体の奥がうずく。

「……っ」

耳元を舌でなぞられて、体から力が抜ける。

しっかりと支えてくれる駿也に体を預けた。
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