【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「勝手なこと言わないで。駿也とわたしは、もう何の関係もないんだから」

「俺が元彼だから?」

「そうよ。それ以外どう表現するわけ?」

過去に付き合っていたことさえも、否定したいの?

思いっきりにらみつけた。

しかし彼の瞳にわたしをからかったり、ましてやさげすんだりするような雰囲気は感じられない。

それよりも……この目は、艶めいて熱のこもったこの目をするときの駿也をわたしは知っている。

「お前の元彼に甘んじるつもりはない。元・元彼になるつもりだ」

「はぁあああ?」

他の言葉なんて出てこなかった。

呆れかえってしまい、開いた口が塞がらない。

何よ、元・元彼って、それってもう一度わたしと付き合いたいと思っているってこと?

そんなこと……ありえない。

四年前、わたしがどんな気持ちだったのか駿也はまったく想像していないのだろうか。

あのときすれ違いがあったとしても、わたしに何の説明もせずアメリカ行きを決めたのは駿也だ。

わたしはそれが彼が出した、ふたりの関係に対する答えだと受け取った。

四年間彼から一度も連絡がなかったのが、その証拠だ。

なのに今更いったい、どういうつもりなの?

「そういうことだから」

「そういうことって、どういうこと?」

思わず声をあげたわたしに、駿也は蠱惑的な瞳を向けた。
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