【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「だから、もう一度俺に落ちろってこと」

「な、な……何言って……」

誘惑する気満々の目で見つめられて、心拍数が上昇してしどろもどろになってしまう。

距離を取ろうとしてよろけてしまい、その場でたたらを踏んだわたしを駿也のたくましい腕が支えた。

体温が伝わってきて、ドクンと心臓が大きな音を立てる。

「まぁ、抵抗したって無駄だ。俺からは逃げられない。さっさと覚悟を決めて俺の腕の中に戻ってこい」

駿也の腕に力がこもり、そしてわたしに追い打ちを掛ける。

「やっと戻ってこられたんだ。もう、俺はお前から離れるつもりはない」

その相変わらずの強引な態度に思わずときめきそうになった自分を心の中で殴りつけ、毅然と応じる。

「馬鹿なこと言わないで。わたしはあなたの、元・元カノになるつもりはありませんからっ!」

拳に力を込め、思い切り駿也の肩をグーで殴った。

「痛って!」

「勝手なことばかり言って、バカ駿也! もう二度と会いたくないっ」

そう言い切ると、踵を返し全力疾走した。逃げるが勝ちだ。

「そんなの俺が許さないからな。俺は毎日会いたい」

背後から恥ずかしいことを大声で告げられて、頬がボッと火がついたように熱くなった。
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