【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「え? 何、急にどうして?」
いきなりの提案に驚かれるのも無理はない。
けれどずっと気になっていたのだ。
尾関さんが使っているロッカーは一番奥の暗い場所にある。その上端っこで使いづらい。
「ずっと気になっていたんですよ。でもなかなかお会いできなくて。
おなかも大きくなってきて大変だろうし、わたしのロッカーと交換しましょう」
「でも……悪いわ」
「何言ってるんですかっ! 妊婦なのに激務をこなしているんですから楽できるところは楽しないと、問答無用ですっ! はい」
わたしは尾関さんの返事を待たずして自分のロッカーの荷物を手近にあった段ボールに出し始めた。
それを見た尾関さんは観念したのか自分のロッカーへと向かった。
結構荷物あるなぁ。
あれもこれもとため込む性格だって自覚はあった。
こういうときに断捨離していけばいいのだろうけれど……まぁ、今は時間がないからと自分に言い訳をして、手当たり次第に段ボールに入れた。