【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「こっちは準備できたよ~」
タイミング良く尾関さんから声がかかる。
「は~い。今、行きます」
手の平にのせてあったキーホルダーをバッグにしまい込む。
結局今回も捨てることができなかった。これでいったい何度目だろう。
小さなため息をつきながら、尾関さんの元に向かう。
すでに荷物を出してくれていたので、後は片付けるだけだ。
「これ、運びますね」
尾関さんの荷物が入った紙袋を両手で持つ。
「ありがとう。助かっちゃう」
にっこりと笑う尾関さんはすごく幸せそうで輝いていた。
いつかわたしもあんなふうに幸福に満ちあふれた笑顔をする日が来るのだろうか。
ふとそんなことを思って切なくなった。
そのためにはさっさとあのキーホルダーを捨ててしまわなくては。
それまで何度も捨てようと思った。
そのチャンスだってあった。けれどそのキーホルダーはまだわたしの手元にある。
そうずっと、わたしの手の中にある。
タイミング良く尾関さんから声がかかる。
「は~い。今、行きます」
手の平にのせてあったキーホルダーをバッグにしまい込む。
結局今回も捨てることができなかった。これでいったい何度目だろう。
小さなため息をつきながら、尾関さんの元に向かう。
すでに荷物を出してくれていたので、後は片付けるだけだ。
「これ、運びますね」
尾関さんの荷物が入った紙袋を両手で持つ。
「ありがとう。助かっちゃう」
にっこりと笑う尾関さんはすごく幸せそうで輝いていた。
いつかわたしもあんなふうに幸福に満ちあふれた笑顔をする日が来るのだろうか。
ふとそんなことを思って切なくなった。
そのためにはさっさとあのキーホルダーを捨ててしまわなくては。
それまで何度も捨てようと思った。
そのチャンスだってあった。けれどそのキーホルダーはまだわたしの手元にある。
そうずっと、わたしの手の中にある。