【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
……このままではいけない。本当に駿也の思うツボだ。

わたしの考えが甘かったせいか、駿也は全然諦めてくれない。

それどころか、日に日に彼への思いが強くなってしまっている。さてどうしたものか。

そんななか、それまで準備してきたセミナーの日になった。

最近テレビでの露出も増えてきたせいか、過去最大数の動員数となりいつもの会議室ではなく、急遽式典が行われる大ホールを使用することになった。

参加者の年齢層もぐっと下がった。

これほどまでに〝皆川駿也〟のネームバリューが影響するとは、企画をした部長も想像していなかったらしく、ここのところ終始ほくほく笑顔だ。

ステージ上には大きな花が飾られた。

台の上のマイクは既にチェックを済ませて、その横に駿也の好きな硬水のミネラルウォーターを用意している。

ライトの当たり具合も、前日のうちに調整をした。

万事準備が整ったところで、駿也が登壇した。

大きな拍手の中、颯爽と現れた駿也の姿を客席の一番後ろから眺めていると、本当に別の世界に住んでいる人のように思えた。

「みなさま、本日はお集まりいただきありがとうございます。皆川駿也です」

また渦巻くような大きな拍手が鳴り始める。

彼のカリスマ性を見せつけられているようだ。
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