【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
もちろんずーっと彼を見続けているわけにはいかない。
準備した資料が足りないと言われればすぐに用意をし、お客様に自分の担当の営業を呼んでほしいと言われれば探しだした。
いつもよりも多くの人が使うトイレや洗面台は、何度もチェックして気持ちよく使っていただけるように備えた。
頭も体もものすごく疲れたけれど、駿也が頑張っているのを支えると思うと、最初は嫌だったこの仕事に携われたことをうれしく思う。
大盛況の中に終わったセミナーの後片付けを終えたのは、十八時頃。
人気(ひとけ)のなくなったホール内の最終点検を行っていると、コツコツとヒールの音がき聞こえてきたので、振り向く。
綺麗な黒髪を後ろできっちりとひとつに束ねた紺色のスーツ姿の女性が立っていた。
目鼻立ちが素晴らしく整っており、一瞬見とれてしまうほどの美人だった。
「あの……お忘れ物でしょうか?」
それしか思いつかずに尋ねると、女性はすっと自身の名刺をわたしに差し出した。
「わたくし、皆川議員の第二秘書をしております、高山(たかやま)と申します」
皆川議員の秘書。
その言葉を聞いて、嫌な思い出がよみがえる。思わず眉間に皺をよせてしまった。
準備した資料が足りないと言われればすぐに用意をし、お客様に自分の担当の営業を呼んでほしいと言われれば探しだした。
いつもよりも多くの人が使うトイレや洗面台は、何度もチェックして気持ちよく使っていただけるように備えた。
頭も体もものすごく疲れたけれど、駿也が頑張っているのを支えると思うと、最初は嫌だったこの仕事に携われたことをうれしく思う。
大盛況の中に終わったセミナーの後片付けを終えたのは、十八時頃。
人気(ひとけ)のなくなったホール内の最終点検を行っていると、コツコツとヒールの音がき聞こえてきたので、振り向く。
綺麗な黒髪を後ろできっちりとひとつに束ねた紺色のスーツ姿の女性が立っていた。
目鼻立ちが素晴らしく整っており、一瞬見とれてしまうほどの美人だった。
「あの……お忘れ物でしょうか?」
それしか思いつかずに尋ねると、女性はすっと自身の名刺をわたしに差し出した。
「わたくし、皆川議員の第二秘書をしております、高山(たかやま)と申します」
皆川議員の秘書。
その言葉を聞いて、嫌な思い出がよみがえる。思わず眉間に皺をよせてしまった。