【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ～俺様社長の極甘な溺愛包囲網

「その様子では、どういった内容の話かお察しいただけたようですね」

「はい……」

かすれた声でした返事は、ものすごく小さかった。

「よかったわ。わたしもこういうお話をするのは気がひけるの。そこはご理解いただけるとうれしいです。

単刀直入に申し上げます。駿也さんと今すぐ別れなさい」

別に付き合っているわけではない。

けれどどうして他人にこんなことを言われなくてはいけないのだろうか。

駿也は皆川の家の人のことは、説得してちゃんとしたって言っていたのに嘘だったのだろうか。

だまったままのわたしに、高山さんはたたみかける。

「あなたはまだ自分が彼にとって、足かせでしかないのにもっと早く気がつくべきでしたね。

あなたがいなければ、あんなニューヨークまでいって、無駄な苦労しなくてすんだのに。

凡人がするようなことは、あの人にさせるべきではありません」

腕をくんだままで、笑みさえを浮かべている高山さんに、わたしは怒りを覚えた。

「たしかにっ！」

それまで黙っていたわたしが、急に声を上げたので高山さんは瞠目し固まった。

わたしは深呼吸をして、話を続ける。